東上沿線コラム&情報 第8号
No.13 東上線の最高地点 (2001/2/10 記)
東上線最高地点付近地図(1/2.5万、地形図「寄居」「安戸」より(c)国土地理院 )図中赤い点線で囲まれた付近に東上線最高地点がある。 最高地点の拡大図。赤で強調してあるのが130mの等高線。現地を見ると左右の尾根を切り通し状にカットして線路を通したものと思われる。

東上線はそのほとんどが平地を走るため、起伏はあまりありません。しかし、武蔵嵐山を過ぎると線路が秩父山地の東縁部の丘陵地区を走るため、上り下りやカーブが多くなります。

ところで東上線の最高所はどこになるのでしょうか。以前から気になっていたのでちょっと調べてみました。

最初は、なんとなく山岳路線という雰囲気の濃厚な、武蔵嵐山・小川町間のどこかだろうと思っていました。しかしあらためて地図をながめてみると、嵐山と小川の間は、それほど高くはないことがわかりました。この区間の最高地点は、東上線下り電車が国道254号バイパスの下をくぐり右手に東小川の住宅地、左手に池をながめ南下し、小川盆地に向けて右にカーブを切り始めるあたりであろうと思われます。標高は90メートルと100メートルの間です。

さて、ほんとうの東上線最高地点ですが、地図で見ると東武竹沢・男衾間の山中となります。下り電車が東武竹沢を出て、国道254号バイパスの下をくぐってから約500メートルほど行くと、左右の山が迫った切り通しのような所を走ります。そのおよそ百数十メートルの水平区間が、東上線における最高点です。正確な標高はわかりませんが、地図で見る限りほぼ130メートルとなります。この後、男衾に向けて電車は下り勾配を走り続けます。男衾を発車した後は、寄居に至るまで標高が100メートルを超えることはありません。ということで、東上線最高地点の栄誉?は東武竹沢・男衾間に輝くこととなります。

こんどは、東上線標高最低地点について調べてみたいと思います。これは最高地点に比べちょっと調べづらいのです。おそらくどこかの水田地帯を走り抜ける区間になるとは思うのですが、そういう場合、電車は数十センチから数メートルの築堤上を走ることになり、その築堤の高さがわからないと標高が出ないからです。もちろん地形図にはこうした築堤の高さなどは書かれておりませんので、自分の目分量で調べるくらいしかありません。なんかいい資料はないですかね?

東武竹沢から上ってきた線路が水平に移るところ。 水平区間点景。撮影した小径は線路面から3mほど高いところにある。
男衾に向かって下り勾配に移る地点を、男衾方向から見たもの。
■この頁で使用した地形図
平成4年11月1日発行、平成6年3月1日第2版発行、2.5万分の1地形図「寄居」:昭和45年測量、平成3年修正測量、平成2年11月撮影の空中写真を使用、平成3年6月現地調査、(c)国土地理院〕
平成4年5月1日発行、2.5万分の1地形図「安戸」:昭和45年測量、平成3年修正測量、平成2年11月撮影の空中写真を使用、平成3年6月現地調査、(c)国土地理院〕
※ 本頁で使用した地形図はすべて国土地理院が著作権を保有しています。
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