東上沿線コラム&情報 第7号
No.11 昔の車両の話の追加 (2000/12/17 記、2001/8/17、8/23写真追加・文章訂正)
鉄道ファンというほどではないので、車両の話はあまり詳しくありません。間違っていたらご指摘下さい。
今は冷房は当たり前という状態になってしまいましたが、つい30年程前(“つい”でもないか)は冷房はほとんどありませんでしたし、古参の7000系が結構幅を利かせていました。片開きのこの系統の電車は、たまにシェードが幕式ではなく、木製の鎧戸式のものがありました。遮光性は優れているのですが、そのぶん風が入りにくくなり、車内はいっそう暑くなりました。
夏は困りものの7000系でしたが、冬はかえって暖かかったとという話は、コラム前号でお話ししたとおりですが、もうひとつ、7000系のよかったところ。それは運転席のすぐ後、運転席と乗降扉の間に2人掛けの座席があったことで、ここに座ると前方(または後方)が見渡せて、いい暇つぶしになったことです。運転手のいる方は窓がなくて見えませんでしたが、右側は幕が開いているかぎり展望が楽しめました。(下の写真参照)
7300系車両の外観 7300系車両の内部
吊掛駆動のモーターのうなりがきこえてきそうである。
2002.2.25写真差し替え (c)KRさん
油のしみこんだ木の床、扇風機、天井から吊革の支持棒を支える鋳鉄製のアームの描くカーブなどなど、なつかしさのあふれる写真。運転席後ろの二人掛け座席もよくわかる。とくに向かって右側の座席は前方の見渡せる無料パノラマ席だった。
2001/8/23追加 (c)KRさん
床に塗った油の臭いがツンと鼻を刺激したりして、東上線の車両の悪評をしょってたっていたような7000系でしたが、私はそんなに悪い印象を持っていません。昭和40年代当時は小田急だって旧国電のお下がりを使っていましたし、横浜線、常磐線なども旧型国電が走っていたのに、なぜ東武だけが「床が木の電車が走っている」などと揶揄されるのか、不思議でなりませんでした。
それ以前(昭和40年代前半以前)の東上線には多種多様な旧型車両が走っていました。荷物車両の併結や、トイレ付き車両の存在もこのころが最後だったでしょう。
塗装もオレンジ色とベージュのツートンカラーで、なんとなく関東平野の土ぼこりを想像させる、野暮ったいカラーでしたが、昭和46・7年頃だったか、セージなんとかという色(ようするに白に近いクリーム色)の1色塗りが導入されました。この塗装はなるほど経済的ではあったのでしょうが、なんとなく下着いっちょうで外を歩かされているような印象でした。私が子供の頃(昭和30年代)まで遡ると、昔の国電と同じチョコレート色の塗装で、夏などは窓ガラスを固定するパテが暑さでグニャグニャになっていたのを覚えています。
今回も昔話の続きで恐縮でした。
No.12 不老川橋梁の改修完了 (2000/12/17 記)
最近、水害を頻発させることで悪名が高い新河岸・川越間の不老川にかかる東上線橋梁は、一昨年の水害後、東上橋梁周辺整備と橋梁本体の架け替え工事していましたが、ようやく新しい橋梁部への架け替え工事が完了しました。おそらく12月16日から17日にかけての深夜に架け替え工事が行われたものと思われます。それまで上り電車車窓左側に置いてあった灰色の新橋梁が今日見たらなくなっていました。
さて、不老川は今では「ふろうがわ」と呼ばれていますが、もともとは「としとらずがわ」と呼ばれていました。不老川は武蔵野台地の伏流水から湧き出た水が集まったもので、もともと水量の乏しい川でした。とくに乾季である冬の間はほとんど水が枯れていたようです。昔はいわゆる「数え年」で年齢を数えていました。数え年はご存じのように正月を迎えるたびに1歳ずつ年齢を加えますが、その正月時期に水が干上がっていて川の姿が見えないので、正月に年齢を加えることができず、年を取らない。したがって不老川(としとらずがわ)になったということです。
このように水量の乏しい川だった不老川も、周辺の都市化にともない流入する生活排水もふえてきました。今では冬に水量が減ることはあっても、水のなくなることはもちろんありません。それどころか、こうした都市型中小河川の典型として、豪雨のときだけ急激に水量が増えるので、洪水を起こしやすくなっています。今年の9月上旬にも一昨年ほどではありませんが、国道254線の橋付近から東上線の橋にかけて水があふれ、254号は大渋滞に見舞われていました。
今回の橋梁掛け替えで、取りあえず東上線が不老川の増水で止まることはなくなるのでしょう。もっとも不老川全体の治水工事はまだこれからでしょうから、水害は起こる可能性は残っているわけですが。
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